あとがき






magicaを読んでくださってありがとうございました。
このように最初から話数を決めて、書く内容も決めたうえで短期連載を書くのは私にとって初めての事だったのですが、いかがだったでしょうか。
私としては書くのにそこまで詰まることなく、一番書きたかったものも自分なりに割とブレずに書くことが出来てほっとしております。

一番書きたかったもの。それは、「長髪ルーク」の事でした。
私がゲーム本編を通してプレイしてから何年か経っておりますが、個人的に未だにアビスに納得がいっていない事は、これです。己を変える事で皆に受け入れられることが出来たルークでしたが、過去に過ちを犯してしまった、つまり長髪だった時のルークには何もフォローが入らなかった事です。
確かにルークは偉い。あれだけの事を犯してしまい、見捨てられ、途方に暮れた所であそこまで自分を変えることが出来る人なんてそういません。しかし変わる前のルークが絶対的な悪だったかと言うと、それも違うと思うんです。アクゼリュスでの出来事は仲間やルークの様々なすれ違いの結果、ルークが引き金を引いてしまった出来事でした。ルークの言動も確かに責められるべき所はあった。でも、それで今までのルークを全部否定するのはまた違うと思います。傲慢な態度の中に彼本来の優しさがあった事は作中でも語られていた事だったのに、その頃のルークの全てが間違っていたと言われているような気がしました。もちろんこれは私個人の解釈なのですが。
またルーク自身も、昔の自分を捨ててそのまま、受け入れられないまま最後までいってしまったのではないかと思いました。変わる前のルークも変わった後のルークも、ルークである事に変わりはないのに、良い部分だってたくさんあるのに。それが何だか悲しい事のように思えて、ずっと心残りでした。
この、納得いかない気持ちを先日唐突に思い出しまして、辛抱ならずに書きだしたのがこのmagicaだったという訳です。
変わる前のルークも、変わった後のルークに受け入れてもらいたい。あの頃のルークだってルークらしくて素敵だったんだよ、と。そういう気持ちを込めて書きました。結果何とか自分が書きたかったものを形に出来た訳ですが……。
この、間違いなく自己満足な産物を、少しでも気に言って頂けますならば幸いです。
自分でもかなり押し付けがましく書いてしまったかな、という自覚がありますので、私と解釈が違い気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
ですが私のルーク感は他の作品に比べてかなり書けたかな、と思います。もう何でもいいんです、ルークが幸せになってくれれば。
そして最後に迎えに来たアッシュが最高の私得な場面でした。もう思い残すことはありません。magicaは書ききりました……。

ここまで読んで下さった奇特な方、本当にありがとうございました。
この下には蛇足も蛇足な裏設定やmagicaの元ネタを書いております。興味のある方だけどうぞスクロールしてやってください。
マジでかなり蛇足で小説内の雰囲気や余韻も台無しにしていると思いますので本当、そういうの大丈夫な方だけ……。
元ネタに対してのネタバレも否応なしに含んでいるため、お気を付け下さい。




14/09/02



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例によって例の如く箇条書きで書かせて頂きます。
書く事に我慢できなかった。お許しください!



・元ネタについて
元ネタとは、「magica」という題名と「実は今までの世界はルークの作り出した偽物の世界だった」という設定についての元ネタです。これは、少し前に話題になった某魔法少女アニメの映画版設定からインスピレーションを得て書かせて頂きました。「僕と契約して魔法少女になってよ!」で有名なあれです。ご存じの方であればすぐに思い当たるお話運びだったかなと思います。久しぶりにはまったアニメがあれだけ濃い内容だったので、非常に心に残りまして……設定をお借りして書かせて頂いた次第です。どうかとは思ったのですが……止まりませんでした。はんせいはしている。映画本編の衝撃度には遠く及ばないのが悲しい。
もちろん細部まで設定丸々貰う事は出来ませんでした。そんなことしたらルークが悪魔になっちゃう。

・題名について
多分もうお分かりだとは思いますが、第一話から六話まで音素の順番に並べて付けてありました。闇、土、風、水、火、光、そして第七音素。正直この題名考えるのが本当に時間掛かりました…。一番苦戦したのは言わずもがな、火です。妥協の跡が見える。一応ルークを復活させるためにこれらの音素をそれぞれ取り込んでいた、という設定を入れようと思っていたんですが入れ切りませんでした。詰め込みすぎもいけませんね。

・仲間たちについて
あの世界で出会った仲間たちはルークが作り出した幻の存在、である事に変わりはないのですが、実は本人たちが意識していない深い所でこっそり繋がってたっていう裏設定があります。存在は幻だけど、その意識は確かに本物だったと。確かにルークが願った通りの行動を取っていたけど、交わした言葉は想いは……。
ちなみにそうして深いとこで繋がる回数、つまり登場回数も、ルークの事をどれだけ深く重く考えたかで増えています。ティアが少し登場多かったのもその辺を意識して。つまりはまあ、常に使用人として登場していたガイ様重すぎ、って事でした。
もちろんアッシュだけ例外です。しっかりとした意識あるまま行動して、意図的に姿を隠してました。ちなみに仲間たちとルークの意識も僅かに繋がっていた事も知っていますが、あえて伝えるのも何だか癪なのでこれからも教えないつもりのようです。

・赤い猫について
赤い猫、つまりは長髪ルークを捕まえたり触ったりする際も、長髪ルークをどれだけ受け入れられていたか、で難易度を変えてました。ミュウやガイが割とあっさり捕まえていたのも、長髪ルークに最初から好意的だったから。ピオニー陛下は直接会ってないけど、多分変わらず受け入れてくれていたんだろうなという憶測で。
ちなみにアッシュは陰で引っかかれたり逃げられたりしながらも、最終的にあれだけ撫でられるようになりました。努力の勝利です。

・出てこなかった人たちについて
上記の「深い所で繋がっている」という設定もありましたので、一応今はもう死んでしまった子たちは基本的に登場させませんでした。本当はもうちょっと六神将あたりを出してあげたかったのですが。
しかし!イオン様だけは!譲れませんでした!もっと同年代の友達らしい会話とか、してほしかったな……。

・アッシュについて
生きる事を諦め今にも消えそうなルークの心の象徴である中庭を必死に整え、芽が出て花を咲かせるように懸命に世話をし、時に発破をかけたりしてルークをけしかけ、その心が健やかに元気を取り戻して切り捨てた一部も受け入れられるようになるまでそっと見守り、ようやく迎えに行くことが出来たアッシュさんは、そうやってルークに働きかけられるようにするための間にもかなりの努力をしていたそうです。まずは大爆発について調べたり、ルークを取り戻す方法を血を吐くような思いで探したり、藁にもすがる思いでローレライに呼びかけたり。しかしその辺をおくびにも出さないのがアッシュという男。頑張りました。拍手。

・ローレライについて
出すとまたでしゃばるので今回は存在をほのめかすだけにとどめました。


・ちなみに
magicaを書きはじめる前に考え付いた、キャッチコピー的なもの↓

「そこは、
ヴァンを倒し、ローレライを解放したルークが、
身体と記憶を半身に預け、
音素に溶けた小さな意識の中で夢に見る、
ひかりとあたたかさに満ちた、にせものの世界。」

にせものの世界とか完全にネタバレしているのでどこにも使えなかったのですが、個人的にお気に入りです。




書きすぎました。自重します。
ここまで読んで下さった方は何と言っていいのか…ありがとうございます、すみませんでした。







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