1、大きな箱を選ぶ。
どうせ貰うのだったら大きな物が良い。アッシュは袋の中から大きな箱を取り出した。
「そう、それでいいのね」
「ああ」
「それじゃ、私はこれで。今日は本当にありがとう。メリークリスマス」
白い袋を背負いなおして、ティアはスタスタと去っていった。そういえばソリとトナカイはどうするのだろうと余計な事を考えながら、貰った大きな箱へと向き直る。一体何が入っているのだろうか。
「なあ、開けてみてくれよ!」
「そうだな」
ワクワクしながらその辺を飛びまわるルークの言葉を受けて、アッシュは箱に掛かっていたリボンを解いた。内心密かに胸を躍らせながら、ゆっくりと箱の蓋を開ける。
すると突然、アッシュの目の前に網が広がった。
「なっ?!何だこれは!」
「ふふっ、見事に引っかかったわね」
「貴様、謀ったな!」
網に捕らわれたアッシュを見て、外へ去っていったはずのティアがどこからともなく戻ってきた。どうやら先ほどの箱は罠だったらしい。
「これ見よがしに遠慮なく大きな箱を貰っていく人にルークを任せていられないわ。私が責任持って面倒見てあげる」
「あ、アッシュー!」
「畜生!そいつを返しやがれ!」
ティアに掴まれたルークはジタバタしながら必死にアッシュへと手を伸ばした。しかしぎゅうっと抱き締められるとピタリと動きを止める。裏切り者!
こうしてアッシュはルークを奪われ、網の中で一人寂しくクリスマスを過ごす事となったのだった。
GAME OVER