1、ローレライプリズムパワーメイクアップ
「くっ、相変わらず叫ぶのに非常に躊躇われる呪文……!だが躊躇っている場合じゃねえ!ローレライプリズムパワーメイクアップ!」
力の限り叫んだアッシュの体がカッと白光した。これから数秒間濃厚な変身シーンとなるのだがアッシュのプライバシー保護のために伏せさせて頂こう。良い子のみんなには脳内で補完して貰いたい。
という訳で、アッシュの変身は完了した。光の失せたそこに立っていたのは何やら魔法の杖らしき棒をちゃんと手に持ったアッシュで、その格好は。
「ローレライに代わって、お仕置きだ!って変わってねえ!」
自分の姿を見下ろしてアッシュは思わずびっくりした。先ほどまでのサンタもどきの格好と変わっていなかったのだ。杖は出てきたがもしかしてこれは失敗したのだろうか。そこへルークが近づいてきた。
「あー、クリスマスバージョンだから格好が変わらなかったみたいだな。残念だった?」
「っ誰が残念だ!安心したんだよ安心!いやこれで安心する俺も俺、か……」
少し肩を落としたアッシュはすぐにそれどころじゃないと顔を上げた。律儀にもアニスは待っていてくれたらしい。しかしその手には、何やら不吉な四角い箱みたいなものがある。
「……おいガキ、何だそれは」
「乙女をガキ呼ばわりなんてひっどーい!でもいいもんね、さっきの様子はバッチリ撮らせて貰っちゃったから」
アニスがニヤニヤ笑いながら掲げるのは間違いなく写真撮影用音機関もといカメラだった。一体どこで手に入れたのか。いやそれよりも、アニスが何を撮ったのかが問題だ。さっきの様子、というと、まさか。
「きっ貴様さっきの自主規制時間の模様を撮ったな!」
「きゃわーん☆全国のアッシュファンに高値で売れる事確定っ!こうしちゃいられないわ、早く現像しなきゃ!」
「全国の俺ファンとは何だっ!っくそ、逃がすか!」
トクナガを駆使して全速力で逃亡を図るアニスにアッシュが迫る。何としても、危険物を持つ奴の逃走だけは許してはならない。早く倒して、そしてカメラを処分しなくては!
1、まずは心配の元の根絶だ。カメラを叩く。
2、ひとまず足を絶つ。トクナガを狙う。