1、死ぬ気で今日中までに頑張れ。ギンジを急がせる。
「死ぬ気で今日中までにやれ」
「そ、そんなー!死ぬ気で頑張ったって2日ぐらいじゃないと……」
「やらなければ、斬る!」
「ひーん!分かりましたやります頑張らせて頂きますっ!」
物騒な目で睨みつければ、ギンジは慌てて作業場へと引っ込んでいった。凄んでから、そういえば今は剣を持っていなかったなと思い出したが、まあいい。ギンジが急いでくれさえすればいいのだ。
「大丈夫かなあ……」
ようやく冷え始めたお茶へと顔を突っ込みながらルークが心配そうに呟く。ギンジが姿を現したのは、それから数時間した後の事だった。
「で、出来ました……これで、一応、完成、です……」
本当に死ぬ気で頑張ったのだろう。げっそりフラフラになりながらもギンジはアルビオール号をアッシュへと手渡した。手渡した後すぐにその場にばったりと倒れてしまう。
「うわーっ大丈夫か?!」
「ギンジ……お前の事は、忘れない……」
「え、アッシュいいの?過去の人にしちゃっていいのか?!」
一回床の上のギンジに拝んでからアッシュはアルビオール号を手に外へと出た。躊躇いながらも後ろをついてくるルークを肩に乗せて、改めて箒へと跨る。
「旅に犠牲はつきものだ。過去を振り返ってないで先に進む事が大事なんだ」
「良い事言ってるっぽいなアッシュ。ま、いっか。それじゃ、新生アルビオール号、発進!」
いつものルークの号令に、アルビオール号は答えるように一度ぶるりと震えて、そして。
ドカーン!!
爆発した。
人を無理矢理頑張らせちゃ、駄目だよ!
GAME OVER